はじめに
今回は、クラウドサービスへの移行によって「サービス可用性」がどれだけ向上するかを求める計算問題を取り上げる。
文章が長く見えるが、使う公式は1つだけである。落ち着いて数字を当てはめれば確実に正解できる問題であるため、手順を丁寧に確認していこう。
問14
A 社は,自社のデータセンタでアプリケーションシステムを運用し,顧客にサービスを提供している。現在,アプリケーションシステムの実行環境をクラウドサービスに移行して,サービス可用性を向上させることを検討している。次の条件のとき,サービス可用性は移行後に何パーセントポイント向上するか。ここで,サービス可用性(%)は小数第 3 位を切り捨てるものとする。
〔条件〕
・サービス提供時間は,移行前も移行後も同じで,計画された保守の時間を除き,年間5,000 時間である。
・移行前は,サービス提供時間内の停止時間が,年間 100 時間である。
・移行後は,サービス提供時間内の停止時間が,年間 30 分となる。
ア 0.01
イ 0.19
ウ 1.40
エ 1.99
答えを確認する
正解は エ です。
問題を整理しよう
1. サービス可用性とは
サービス可用性とは、「サービスを提供すると約束した時間のうち、実際にサービスを利用できた時間の割合」である。稼働率と同じ考え方で、次の式で求められる。
サービス可用性(%)=(サービス提供時間 − 停止時間)÷ サービス提供時間 × 100
ここで重要なのは、分母が「サービス提供時間」である点だ。
1年間の総時間(8,760時間)ではなく、問題文で指定された 5,000 時間を使う。計画された保守の時間は、最初から分母に含まれていない。
2. 移行前のサービス可用性
停止時間は 100 時間であるから、次のようになる。
(5,000 − 100)÷ 5,000 × 100
= 4,900 ÷ 5,000 × 100
= 98.00(%)
3. 移行後のサービス可用性
ここが最初の落とし穴である。停止時間は「30 分」であり、単位が時間ではない。
計算の前に、必ず時間へそろえよう。
30 分 = 0.5 時間
これを用いて計算する。
(5,000 − 0.5)÷ 5,000 × 100
= 4,999.5 ÷ 5,000 × 100
= 99.99(%)
4,999.5 ÷ 5,000 は 0.9999 であるから、パーセントにすると 99.99% ちょうどとなる。
問題文には「小数第 3 位を切り捨てる」とあるが、今回は切り捨てるべき端数が出ない。
4. 向上したポイント数
99.99 − 98.00 = 1.99(パーセントポイント)
したがって、答えは エ(1.99) である。
解法のポイント
① 単位の不一致に注意しよう
「30分」を「30時間」として計算してしまうと、次のようになる。
(5,000 − 30)÷ 5,000 × 100 = 99.40(%)
99.40 − 98.00 = 1.40
これが選択肢ウ(1.40)である。
30分は0.5時間である。分と時間の単位をそろえて計算しよう。
② 分母に使う数値に注意しよう
1年間の総時間で計算する(8,760時間で計算する)と、数値が大きく変わってしまう。
問題文に「サービス提供時間は年間 5,000 時間」と明記されているため、分母はこの値を使う。
③ 「%」と「パーセントポイント」に注意しよう
問題が問うているのは、可用性の「差」である。
- 98.00% から 99.99% への変化は、1.99 パーセントポイントの向上である。
- 「1.99%向上した」ではない。(相対的な増加率は約 2.03%になり、別の値となる)
「何パーセントポイント」と問われたら、単純に引き算をすればよい。
今回のように、問題文の数字を式に当てはめるだけで解ける問題は、科目Aでは得点源にしたい。特に「分」と「時間」のような単位のそろえ忘れは、起こりやすいため、式を立てる前に条件の単位を一度見直す癖をつけておくとよい。


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